複雑なレトロ色

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青梅には20年ほど前に越してきました。越してからしばらくは都内に通勤していて寝に帰るだけでしたが、仕事場が青梅に移ってからだんだんと地元を歩くようになりました。

青梅駅周辺は「昭和レトロの町」をキーワードに町おこしをしています。旧青梅街道沿いの商店を中心に色鮮やかな映画看板が掛かり、ポスターが貼られ、いくつかの観光客向けの施設が開かれています。これはかつて繊維産業によって繁栄を極めた町へのノスタルジーでもあって、昔は映画館や撞球場、料亭をはじめ飲食店が軒を連ね、多くの芸者衆を抱えた歓楽街としても賑わったそうです。残されている往時の写真には、町おこしを施された今の姿に通じるものがあります。

地形的には奥多摩の入口に位置していて、青梅駅まで来ると北に永山丘陵が迫ります。平地は少なく、駅から南へ百メートルも歩くと後はどの道をとっても多摩川の河原まで長い下り坂になります。道はむかしのままで、うねうねと曲がり、細い路地が隠れています。そこに多くのお寺や神社が、一時より減ったとはいえ商店・飲食店が、そして住居がひしめいて建っています。

子供の頃を彷彿させてくれる商店や家屋、町並みが残る昭和レトロの町ではありますが、古い姿のまま継続していくのは困難なことです。真新しいビルやマンションも建てば空き地もあります。閉まった切りの商店もあります。

「いつまで続けていけるか、分からないねェ」
昔から青梅で商売をしている人に「この先」を聞くと、よくこういう答えが返ってきます。ただ、それが決して暗い響きにならないのが青梅らしいところです。青梅は再開発に距離を置きながらも、ゆるやかに、しかし確実に流れ続けている時間を受け入れながら、その行く末を見極めようとしているかのようです。

町おこしのレトロな演出を取り囲むように、現在進行形のレトロな町が広がっている青梅。これからもずっと撮り続けていきたい町です。

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http://iwanon.cocolog-nifty.com/

コメント(5)

岩出さん、こんにちは。

僕も青梅に1度だけ撮影に出かけたことがあります。
駅から多摩川に下りていく途中で、細い路地に入ったりすると、ちょっと古い町並みが残っていて、とても印象的でした。

また、ぜひ撮影に訪れたい街ですが・・・片道5時間は辛いです(笑)

この感じ、すごくいいですね。
写欲をそそられます。
ちょっと頑張って今度の連休にでも行ってみたいです。

部員さん、青梅に来られたことがあるんですね。
しかし片道5時間となると、本格的な「旅」ですよね。
よくぞ来てくださいました。次回は何かおついでの折にでも…。

多賀さん、こんばんは。
ここは「乗願寺」というお寺で、気に入って散歩コースにしているところです。
もし青梅に来られるようなことがありましたらお声を掛けてください。
遠いですけど~。

岩出さん
こんにちは。
実はシルバーウイークに青梅に散歩に行ってきました。
もちろんこの写真の場所も通りましたよ。
青梅で撮った写真、少しですが自分のFlickrのサイトにアップしましたので
よろしかったら観てみて下さいね。
多分、岩出さんがご覧になったら全部「ああ、あそこね」と分かってしまう
所ばかりだと思うのですが・・。

多賀さん、Flickr拝見しました。
遠いところお出でいただきありがとうございます。
撮影場所ですが、さすがにツウ!な道を歩かれていて、
ちょっと記憶に自信のない道も…。
Flickrの方にコメント書かせていただきました。